伊勢神宮 「式年遷宮 お白石持行事」

7月27日(土)に伊勢神宮の内宮「式年遷宮 お白石持行事」に参加させて頂きました。
この儀式は千年以上続いているとの事です。正宮(内宮)と外宮を二十年ごとに建替え、その儀式や技術を伝承していくことにもつながっている様です。
この伝統儀式を守るのが伊勢神宮の近隣町内の方々です。
私達が参加させて頂いた「お白石持行事」は宮川と言う川から白石を集めて奉納します。
すでに御神木は奉納されて内宮の新しい建物は完成しています。建物のまわりの白石を敷きつめる為の奉納作業と言う事になります。白石の回りは黒い石で敷きつめて、天皇陛下が歩かれるところだけが白石となっています。
二十年前は、五十鈴川から「御神木 川曳き行事」の時は奉納した時点で解散でした。
私の友人が伊勢市鹿海町で代々伊勢神宮の大役をされてきた家柄です。
「お白石持行事 鹿海 五番曳き」として参加させて頂きました。
参加者は鹿海町総出で、子供、女性、青年、高齢者の総勢500人以上の曳き手となります。
この行事は8月10日まで近隣の町内総出で行われます。
そして、この行事が終了しましたら、今後二十年間は天皇陛下以外の人は中に入れません。
そのような由緒ある伝統儀式に参加させて頂いた事に感謝致しております。
友人とは学生時代からの家族付き合いをさせて頂いています。
又、建築に携わる者として、伊勢神宮の正宮(内宮)の中まで入れてもらい、見学させて頂いた事に感謝です。


友人宅で着替えをさせて頂きました。全て白装束です。
この白のズボンやシャツを買い求めるのに一苦労しました。
歴史ある法被を着させて頂きました。気が引き締まりました。


いよいよ「お白石持行事 鹿海 五番曳き」の始まりです。


一本の綱をリング状にして曳くシュロにつないで全員が曳きます。
この綱をまたいではいけないとの事でした。


ケヤリの人達が伝統の歌や法螺貝で先導していきます。


この写真は別の町内の方々ですが、前の町内を追い越してはいけないので、待っている時、
綱の内側にいるケヤリの人々を両方から挟み込んで、綱に引っ掛けて倒しています。
少し鈍いケヤリは最後までみんなに狙われます。これが又醍醐味があってよかったです。


胸まで浸かっても奉納するお白石が転覆しない様に頑張っています。
又、川の堰や橋の下を通過する時は一気に通過しないといけないしきたりとの事で、
いっせいに曳きが始まり、胸まで水につかった時は緊張が増しました。
そして、前の町内の川曳きを追い越してはいけない事になっています。礼儀として。


橋を越えた時、休憩となりました。飲み物は用意してありまして本当に助かりました。
しかし、トイレに行く人が少ないのですね(^^)仮設トイレは用意されていたのですが・・・


これは他の町内の写真ですが、この様な状態で奉納するお白石を運びます。
宇治橋のたもとで、ここから一気に運び上げます。


宇治橋のたもとまで来た時、次世代の青年団だけで五十鈴川から奉納するお白石を一気に
曳き上げます。ここで止まったら神宮は受け取らないとか、町内のメンツにかかりますから、
本当に緊張する一瞬でした。見ごたえがありました。


奉納しました、お白石」は宮司に清めてもらいます。


この綱の結び方を伝承しているとの事です。一度結んだら、ほどけないとの事です。
しかし、今回の奉納ではお白石の数は足りません。
2年がかりで、各町内の方々が宮川で集めて用意されたと聞きました。


各町内で用意された「お白石」を順番に渡されて、今から内宮へ奉納します。


お清め済まして、いよいよ正宮(内宮)に奉納です。
鳥居も灯篭も全て新しくなっていました。


いつも綺麗な五十鈴川です。この川下からお白石を運んで来ました。


やっと正宮(内宮)につきました。普段ならば、石段を上ったところまでです。
ところが、内宮の中まで入れてもらいました。
「お白石」を奉納しまして、弐礼・弐拍・壱礼をさせて頂きました。
とても厳かな気持ちになりました。それまでの疲れが一瞬消えました。
この感動は何ものにも代えがたい体験となりました。


内宮内は撮影禁止でしたので、退場して出口から撮影しました。
まあ見事な造りでした。檜がこれほどまでに美しい事に再発見でした。
何と厳かな空間でしよう。まさに日本の文化発祥の地と思いました。

二十年前の「御神木の川曳き」に続き、今回の「お白石持行事」に参加させて頂いた事に感謝致しております。又、友人の家族の皆様にも色々ともてなしを頂きました。
還暦を過ぎてこの様な素晴らしい体験をさせて頂いた事に感謝です。

一番心配した事は、カメラ、携帯電話でした。
友人がちゃんとダブルチャック付きのビニール袋を用意してくれていました。
本当に助かりました。撮影の時は袋から出したり入れたりで大変でしたが、無事でした。
さすがに首まで深みにはまった時は綱をはずして、犬かきで浅瀬までたどり着きました。

感謝